吹奏楽版とかについて

吹奏楽版だとか、オケ版について話すと、必ず「優劣」を語りたがる人っていますよね。

 

根本的に同じ物でも、需要に対して媒体を変えるなんてよくある話だと思うんですよ。

 

人気漫画が出てきたときを考えてみれば一目瞭然でしょう。

アニメ化に、ゲーム化、映画化、実写化などなど、、、

 

漫画とアニメ両方を楽しむ層も多くいます。

一方で、「漫画だったら見ないけどアニメだったら見るわ」っとか、「アニメ放送は怠いけど実写なら見るわ」みたいな層もいます。

 

こうして新たに需要を取り込みながらコンテンツを育てているだけで、漫画よりアニメの方が優れてるとかってあんまり関係ないと思うんですよ。育って人気が出れば他の人も寄ってきますし。

 

別にクラシックだって演奏会が全てではなくて、CDだったり、演奏団体であったり、指揮者であったり、ピリオド奏法などのジャンルであったり、、、

 

その中にただ単に器楽アンサンブルと言うコンテンツが存在して、アマチュアが楽しむと言うニーズが存在するってだけの話だと思うんですよ。

 

全ての製品が何かに優っているから売れている訳じゃないんですよ。

 

これって結局、物の優劣を盾にしているだけで、自分が優位であるって言いたいだけなんじゃないかなーって思ってます。

そのためだけにニーズの否定をするのってどうかと思います。

 

まあ、「だからこそ自分に任せて貰えれば間違いないんです!!」と言うマーケティングだったらポジショントーク的に仕方ないですけどね笑

吹奏楽の編曲の進め方 1

編曲にも色んなものがありますが、とりあえず伴奏をつけて楽器を振り分けられる事を目指していきます。

 

まず楽譜を書く上で、楽器が演奏できなければ意味がありません。

そのため、どの楽器がどの辺の高さに対応しているかを知る必要があるでしょう。

 

今回ここでは簡単に分類していきますが、分類名称はここではそう呼ぶだけで一般的ではありません。

さらに吹奏楽でよく耳にするようなマーチに準拠、演奏者もアマチュアを想定して、オーケストレーションに工夫が必要なものは含みません。

()内の楽器は単体ではなく他の同じ音域の楽器と一緒に使うケースが多いです。

 

 

 

・超高音域

定義:ト音記号の上の加線のド以上が楽に出せる楽器を超高音と言うことにします。

 

ピッコロ AⅠ

フルート AⅡ

Es クラリネット AⅡ

(グロッケンシュピール AⅠ、シロフォン AⅠ)

 

 

高音域

定義:ト音記号の上のソの前後で輝かしい楽器

クラリネット AⅠ

オーボエ BⅢ

(フルート AⅠ)

 

中音域

定義:ト音記号の中ほどのソの前後で輝かしい楽器

トランペット BⅡ

アルト・サックス AⅠ

(クラリネット AⅡ)

ホルン BⅡ

 

中低音域

定義:ヘ音記号の中央の前後で輝かしい。

テナー・サックス AⅠ

アルト・クラリネット AⅠ

ホルン BⅡ

トロンボーン BⅢ

ユーフォニアム BⅡ

(バスーン)B Ⅱ

(バリトン・サックス)BⅡ

(バス・クラリネット)AⅡ

 

低音域

定義:ヘ音記号の下の方で輝かしい。

 

バスーンBⅡ

バリトン・サックスCⅡ

バス・クラリネットCⅡ

チューバCⅢ

コントラバスCⅡ

 

実際どんなパッセージなら良いのかがわからないと思いますので目安として下記の物を用意しました。

 

ABCはスケールの得意さを表しています。Aほど得意になります。

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはアルペジオ系の得意さを表します。Ⅰほど得意になります。

この2つ高いほど細かい音符をかけるイメージです。

両方が低いほど長い音符や、音が切れるようなタイミングを設けた方がいいです。

 

こんな感じに定義して、制限を設けてしまえばもうそれしか書けない!と言う構造が見えて来るんではないでしょうか?

 

次回からはこれを参考に作編曲をして行きたいと思います。

コンクールの中止で見失いがちの点

目標や、発表の機会、努力の評価される機会の喪失、それに対して音楽はコンクールが全てじゃないとか言われていますが、問題はそこじゃないと思ってます。

 

そもそも、人が一同に介する事ができないと言う根本的な問題を忘れていませんか??

 

これってつまり通常の形態でのアンサンブルに属する物は全て出来ないって事ですよ。

 

確かに皆んなが録音したものをミックスするようなDTMの類は可能です。

しかし、使う楽器や、曲は同じでも、その時点で吹奏楽そのものではすでに無いんですよ。

 

しかも完全な収束の見通しが立っていない状況のため、プロを呼んで新たな評価の場を設けたり、演奏会などの別の目標となる機会すら予定が立てられない状況です。

 

コンクールを過大評価し過ぎなのは、もともと指摘されてきていました。

しかしそれを今言った所で吹奏楽の運営が脅かされる事態そのものの解決にはなりません。

 

問題はどのように個人で技術を蓄積できるか、未知の事態で能動的な行動を起こさせるような能力が指導者には求められていると思います。

これがノウハウとして蓄積される事で、楽器を買ってまで辞めてしまう吹奏楽部の経験者を1人でも減らしていくことに繋がっていけばなーっと個人的には思っています。

 

ある意味でコンクールなどの行事に頼っていて、高い楽器を買わせるだけ買わせて、無責任になっていた部分かもしれません。

コンクール中止に関してのマウント

コンクールの中止に対してマウントを取るかのように音楽の楽しみを押し付けようとする人が現れています。

 

コンクールがなくなっても、

「演奏自体が楽しいなら関係ないし、本来の楽しみに気付こう」ってのは一見正論なんですが、言われた方は気分が非常に悪いですよね。

 

そこで分かりやすくこの一見正論に思える意見がどのようにズレているか例えて話てみたいと思います。

 

‪いつもご褒美やお祝いに、お気に入りの洋菓子屋に美味しいケーキを買いに行っているとしましょう。

特にお気に入りはそのお店のチーズケーキだとします。

テスト勉強との戦いを終え、豊かな香りと、きめ細かな生地のしっとりとした舌触りを想像しながらそのケーキを求めお店へ向かいます。

ところがその時お気に入りの商品がなかったとしたら、、、?

 

その時に、「ケーキは本来、バターや焼き目の風味や、生地のきめ細かさや、ホイップの滑らかさを楽しむ物だからショートケーキで良いでしょう?」って言われたところで到底納得できる訳無いじゃないですか。

かと言って代わりにコンビニのポソポソとしたクソマズいやつを買ったところで満足できるはずもないですよね。

 

時間がたてば買えるとか、ケーキの本来の楽しみなんてのは、今その瞬間の事なんて何にも考えてない訳ですよ。

 

コンクールは楽しくないって意見の人は、俺そもそも甘い物嫌いなんだよねって言ってるようなもんですし、もしマウントを取りたいと考えているなら共感するような発言が必要だと僕は思います。

 

これ飲み屋で女の子にアピールしたくて饒舌になり過ぎるおっさんの悪い癖だと思いますよ。

格好良いどころか鬱陶しいと思われてますよ。

コードと和声学

曲がどんな構造でどんな和音が使われているのかっと調べる事をアナリーゼとか言います。

 

その時に和音を理解するのにコードとか和声学が必要になってきます。

「和声学なんていらない」って人もいますが、話した感じ芸大和声の1巻程度をやっただけの人が多いです。ごく少数は天才か、めちゃくちゃ色んな曲を勉強されている方です。

 

コードは和音を基音から構造を示したシステムです。

例えば

・Cならドなので、ドミソとなります。

・Dならレファ#ラです。

・Eならミソ#シです。

 

和声学はスケールの音をそれぞれ基音として和音を構築していきます。

CDEFGAHCなら

・Cは1番目なのでⅠと表記し、構成音はドミソ

コード表記はC

・Dは2番目なのでⅡと表記し、構成音はレファラ

コード表記はDm

・Eは3番目なのでⅢと表記し、構成音はミソシ

コード表記はEm

 

ちなみにジャズメソッドならそれぞれ

Ⅱm

Ⅲm

と表記します。

 

つまり、コードは和音の構築について簡易化した物で、縦の積み方に強く、

和声学はスケール上の和音構成について簡易化した物で、横の流れに強いです。

 

要するに、コードは単語で、和声学は文法と言った感じをイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 

そのため重なってる音を理解するだけならコードさえ知っていれば良いのですが、それに伴って弊害が現れるのでそれについていくつか挙げていきたいと思います。

 

 

・増6和音 裏コード

トルコ行進曲 イ長調に入る直前(48小節目)

FとDis とCの音が使われています。

コード表記ならF7としか書けないのですが、F7はF A C E♭で、D#ではありません。

これは増6和音と呼ばれる物で、Fから6番目のDに#のついた進行になります。

Cの音を半音下げてやる(F A B D#)とわかりますが、これはちょうどドッペルドミナント(B7)の5度の下方変位(B7-5)と同じになります(フランスの増6。)。要するに導音の働きをしているため#で書く必要が出て来るわけですね。

 

これを多種多様な調性で用いる事で両方の読み方が出来るため、ワーグナートリスタンとイゾルデが印象的な事からトリスタンの和音と呼ばれていたりもします。

※追記 トリスタンの和音は増6で連続で転調する際に限ります。

(余談ですがこの9thの下方変位した和音に9thをつけて、ドミナントに使う物がイキすぎコードなんて呼ばれているとか。)

 

ちなみに、ドラクエのBGMで有名なすぎやまこういちさんは、クラシック風の曲の際、この音をdim7で処理します。(dim7はdimでも可)

D#dim7/F#あたりかな。よくコードの本にはdimは全て展開系は4つとも同じコードになると書かれており、これならF#dimで良いんじゃないの??っと思われた方もいるかもしれませんがそれがダメな理由は後述します。

 

何はともあれこのD#とE♭のように、こう言った#や、♭の表記が異なり、同じ高さの音を示している物を異名同音と言います。

これをジャズでは裏コードの♭で書いて、吹奏楽作品の際は増6和音の#で書き分ける作曲家も居ました。

僕は非和声音の都合で書き分けるようにしています。

 

C#7/F

たまーーにギターとかの譜面で見かける書き方です。

#系と♭系が混じってます。

ベースはドミナントの3度のため、導音となります。

F#に行くならE#、Gbに行くならFです。

なのでこの書き方は文法がわからない。

 

・ディミニッシュ

これは減七と呼ばれる和音で、和声学では、短調のⅤ9の根音省略系で考えられています(ハ短調ならソシレファラ♭のソが省略)

 

要するにセカンダリドミナントセブンスコード扱いになりますので、構成音が変わって来るんです。

コードだけなら構成音のBdim Ddim Fdim G#dimはどれも同じ高さの音になりますが、それぞれC Eb Gb Aの各キーに存在していることになります。

そのため構成音は、シレファラ♭ 、レファラ♭ド♭、ファラ♭ド♭ミ♭♭、ソ#シレファとなります。

 

よって最初の増6和音で取り上げたイ短調のAm/Eに入る際、D#dim/F#と書く必要があったんです。

F#dimだとファ#ラドミ♭となってしまい、Dis-Eの導音を失ってしまいます。

 

このように音楽を見る際は、文章を読むようなもので、コードは単語、和声は文法のような関係になります。

和音を理解すると言うのは、積み方以外に連結が重要になってくるため、異名同音を正しく使い分ける事で調性や表現を読み取ることにも繋がっていきます。

そのためより理解を深める為には、両輪で勉強を進める事を私はお勧めします。

 

ちなみに勉強の仕方は、何か解説の文章を読んでわかった気になるのではなく、基礎をやったら、和声学はひたすら書く、コードはひたすら読むの繰り返しです。

そう言う意味ではコードと言うのは勉強しやすいですね。

 

なんだかコードだけやれば良いとかって、英語の勉強は単語だけやればわかるとか、数学は公式さえ覚えれば良いって言うのに似ているなーっと思ってます。

単体だと格好悪いけど音楽の中に入った途端に格好良くなる旋律の存在

いわゆる、裏メロとか、対旋律なんて聞いた事があるかもしれないし、中にはそれについてよく知っている人も居ると思います。

 

僕の作曲に興味を持つ原点は、この対旋律にあります。

 

小学生の頃、まだ楽譜も読めず、リコーダーでチャンバラをしていたそんな頃、ある日母が中学生の頃、吹奏楽のコンクールで演奏したと言う課題曲なるもののCDを買ってきました。

その中のサンライズマーチを聴いていた時に、テナーサックスの音域の旋律線が気になって、「これだけだとめちゃくちゃダサいのに曲に入ってると格好良い。面白い。」っと親に言ったことがありました。

https://youtu.be/fP1gnIvGa40

(ちなみに参考演奏版は譜面の修正前らしく、BbのところでBbM7がなっている箇所があるのでこちらの演奏)

 

それを対旋律だと知り、旋律以外に旋律があって、それが絡むと格好良い、それを自分もやってみたいっと思ったのが原点でした。

 

ところがそう言う物を面白く書こうとすると、和声学か、コード理論かではなく、調性とスケールを交えて俯瞰的に作品を見ていく感覚が必要になっていきます。

 

過程で学習した理論などのある制限の中で何かをしようとすると頭を捻ります。

これがとても勉強になるんですよね。

 

オススメはコードから入れば良いと思いますが、コード表記にない物もあるので、異名同音の問題を解決しようとすると和声学が必要になってきます。

 

次回からは異名同音について書いていきたいと思います。

音楽を10倍楽しむ 1

音楽を聴くと色んな感情が湧いてきませんか??

感動や、緊迫感、悲壮感、エキサイティングだったり本当に多種多様さまざまな表現があります。中にはストーリーがつけてあって感動を誘うような物もあります。

 

ですが、そんな「興奮」とか「感動」とかただ単純なわかりやすい物じゃなくて、もっと隠れてしまってわからないような面白さも沢山潜んでいます。

 

このシリーズでは私も含め、みんなで音楽を2倍、いや10倍も100倍も一緒に楽しんでいけるように、少しでもわかりやすく、音楽のエッセンスに迫って行きたいと思います。

 

記念すべき第一回目は

 

世界で最も作曲したギネス作曲家のテレマン作曲 カノンソナタです!!

 

https://youtu.be/X0XyvyW033w

 

げーバロックぅ 眠い曲 しかも伴奏パートねーのかよ。。。

っと思いきや、実はカノンなので、次の人が追っかけて入ると曲になるちょっと楽しい曲なんです。

 

よく次の人のパートを楽譜を見ながら聴いてみましょう。

同じになっているでしょ!?

 

皆んなが一個ずつ吹いてかせねるだけで、曲になる、まさにテレワーク向きの曲!!

 

今こう言う時だからこそ再び評価されるかも!?な曲の紹介です。

 

次回からの内容はこの譜面を読んでみて是非カノンの楽しさを実感してみてください。

 

そして美しいカノンと言えば、、、

 

https://youtu.be/OJ8QnQ8uUz4 

 

フランク!ヴァイオリンソナタですよね!!

 

個人的におすすめなのはレスピーギです。

 

https://youtu.be/OPwToEme5p0

 

第一回目では同じ形が出てくることに「面白いなぁ」「トゥンク…💕」っとなれるように意識していきましょう!!